ネイティブに遠く及びません。日本人で私より英語力の高い人は、ごまんといます。それでも、日本生まれ日本育ちで、高校3年生までは英語を勉強したこともなかった私が、フィリピン留学、海外駐在、アメリカ大学院留学を経て、アメリカ企業に現地就職。今では、日本人が一人もいない環境で働いているわけですから、自分の育った環境に鑑みると、そこそこ英語が出来る方だと思っています。
現在までに、日本人の殆どいない環境で合計7年程度、アメリカでは合計4年程度生活しており、今は上司・同僚とのコミュニケーション、海外企業の経営者との会議、議事録・投資分析レポート作成等、全て英語で行っています。
一方、グローバル企業の米国本社で生き残っていくには、英語力が全く足りません。私は英語力のみならず専門性が問われる分野に注力せざるを得ないというのが現実です。
現在、アメリカには、アジア系のネイティブスピーカーも多く、完璧に近い英語を話せないアジア人に対し、寛容ではなくなってきているところもあります。言語に依存するビジネスの世界では、組織の中枢レベルに上がるほど、文化的な理解・語学力が重要になります。アメリカ社会で這い上がろうと思えば、相当な覚悟を持って英語力を磨き、アメリカ人と渡り合い、引っ張っていけるだけリーダーシップが必要だと思います。
私の語学力は、そこからはまだまだ遠い位置にあります。
TOFELとTOEICのスコア
今より英語力の低かったアメリカの大学院留学前で、TOEFL iBT 113点(R30、L28、S27、W28)。また、TOEFLより難易度の高いGMATも切り抜け、アメリカのアイビーリーグ大学院留学を果たしました。留学後も英語力を磨き、就労ビザをサポートしてくれるアメリカ企業を必死で探し、現地就職も実現しました。
大学生の時にTOEICを受け905点を取りましたが、当時の英語力は今の1割程度といったところです。
4技能別の英語力
【リーディング】
TOEFLのリーディングセクションは満点で、新聞や経済紙は辞書を使うことなく読むことができます。わからない文章はほとんどありません。時間制限がなければ、ほぼストレスなく読むことができます。ただし、ジャンルによっては、単語や表現がわかりません。個人的に、ファンタジー系は苦手です。
読むスピードは高学歴なネイティブの半分程度だと思います。
投資ファンドのアナリストということで、海外会社の決算書、年次報告書、アナリストレポートなど、大量の英字を読んでおり、事実を正確に読み取る力は鍛えられていると思います。
【リスニング】
TOEFLのリスニングセクションの最高点は29です。英語のニュースなどは字幕なしで理解できます。ただし、長時間のプレゼンテーションを聞いている時、集中力が落ちる傾向にあり、途中で何を言っていたのか忘れていることがあります。聞いている最中は理解しているのですが、2秒後には抜けているイメージです。内容の記憶定着の質が、日本語を聞いているときほど高くありません。日本語なら流して聞いて10理解できるところを、7くらいしか理解できない感じです。
アメリカ人の友達の話していることはわかりますが、お店などで、早口の店員さんが何を言っているのかわからない時がたまにあります。ジャンルにもよりますが、映画を字幕なしで理解するのは結構厳しいです。イギリス、オーストラリア、南アフリカなど北米以外のアクセントは苦手で、聞き取りづらいです。
【ライティング】
TOEFLライティングセクションでは最高29点です。アメリカの大学院では、2年間大量にレポートを書かせられました。投資ファンドでも英語で分析レポートを書くのが仕事です。しかしながら、ネイティブとの差はかなり大きいと痛感しています。ネイティブと同じグループで、同じ課題をしてみると違いが判るのですが、彼ら・彼女らは、非常に表現が豊かで、効率にコミュニケーションをとることが出来ます。ただ、分析の切り口で勝負できること、ライティングには時間をかけられることから、今の自分の仕事において、大きなハンディキャップは感じていません。
【スピーキング】
TOEFLスピーキングセクションの点は27。事前準備のできる職場でのプレゼンテーション、グループディスカッション、上司・同僚とのコミュニケーションや、就活面接で英語を喋ることに全く抵抗ありません。一方で、ランダムなトピックについての日常会話やディスカッションには未だに大きなストレスを抱えています。トピックによっては、言葉がスムーズに出てこないのが、最大の問題です。
いくら試験で高得点を取っても、高等教育を受けてきたネイティブの英語力には遠く及びません。彼ら・彼女らの読解の正確さ・速さ、リスニングの正確さ、効率的なスピーキングやライティングの能力には、日々勉強させられています。