日本生まれ日本育ち~海外留学、海外駐在、海外就職を経て、私の英語力はこうなった

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1.留学前、アルファベットを辛うじて読めるレベルからスタート

私は日本生まれ日本育ち。英語が大っ嫌いでした。高校時代は、授業中寝てばかりで無気力。成績も酷いもので、アルファベットを辛うじて読めるレベルからスタートしました。

高校3年生になってから英語学習に目覚めましたが、基本的には単語、文法、リーディングの学習が中心でした。

大学生になってTOEIC対策でリスニングの訓練を始め、2年生の時にTOEICで905点を取りましたが、スピーキングはまるでダメ。外国人と話すとシドロモドロになるし(笑)ライティングも全く出来ませんでした。ニュース・映画は字幕なしでは理解しているのか怪しいレベル。新聞や経済紙も辞書なしで読み進めるのは困難でした。

私の英語は、まだまだ使えるレベルにありませんでした。

2.3か月の短期留学(フィリピン・セブ島)

大学卒業前に、フィリピンのセブ島に3か月語学留学しました。朝から晩まで、毎日フィリピン人講師とのマンツーマンのレッスンを入れました。事前にリーディングの予習を行い、講師とはそのトピックについてディスカッションするというものです。週末は、新たに習った表現や単語の復習をしていました。

今思い返せば、このタイミングでフィリピンに行く必要はありませんでした。英会話に対する心理的な壁を取り除き、ミスを恐れず英語で話していく姿勢を身に着けることが出来た、という点では収穫がありました。ただ、自分の英会話にとって一番の問題は、ミスを恐れているのではなく言葉が全く出てこないことだ、ということに気づきました。

この問題は、自宅で一人、自分の思考を英語ではっきり声に出すこと、スムーズに、自然にアウトプットできるまでひたすら練習することで、ある程度克服できます。しかしながら、このやり方を思いついたのは、これから何年も後、アメリカの大学院を受験する直前のことでした(涙)。

新聞は辞書なしでは読めず、ニュースは字幕なしでは理解できず、ライティングは超低速で表現も限られていました。

3.3年間の海外駐在(タイ)

海外に住んで、英語を使って仕事をするのが初めての経験でした。総合商社に入社後、海外取引先との電話やメールでコミュニケーションを取ったり、英語の契約書を読んだりしており、英語に対する抵抗がなくなっていましたが、カタコトの怪しい英語を使っていました。

取引先は、シンガポール人が大半でしたが、英語ネイティブでないアジア系も多かったということで、コミュニケーションはスローペース。アメリカ人相手に英語を使うよりはるかにハードルが低いものでした。

ニュースは字幕なしで理解できるようになり、英字新聞も辞書なしで読み進めることが出来るようになっていました。取引先とのメールのやり取りを通じてライティングも上達しました。ただ、まだまだ稚拙な文章で、アメリカの大学に入学してレポートを提出したら、たぶん単位を貰えないレベルでした(笑)。

英語に対する抵抗がなくなってきたことが、この時期の収穫でしたが、英語で会話しようにも言葉が上手く出てこない状態は続いていました。恐らく、大企業の看板なしに、海外で英語を使ってビジネスをしていくのは不可能でした。総合商社の社員ということで、海外取引先もそれなりにリスペクトをしてくれて、私の話を聞いてくれていたというのが実態です。

4.アメリカ大学院の入学試験対策

アメリカ大学院のトップスクールのボーダーラインを超えるにはTOEFL IBTで110点を取る必要があり、結果的に2000時間くらいTOEFL対策に費やしました。 TOEFLで113点(R30、L28、S27、W28)を取る過程で、4技能(リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング)の基礎をガッチリ固めることが出来ました。

ニュースは字幕なし、新聞や経済紙は辞書なしで理解できるようになり、口頭や文面での意思疎通も以前より随分スムーズに取れるようになりました。プレゼンや大学でのレポート作成に必要なスピーキング、ライティングの技術も身につき、アメリカのトップスクールに行って生き残るために必要な、最低限の下地が出来ました。

また、GMATというネイティブを念頭に置いて作られた、TOEFLよりはるかに難しい試験があるのですが、アメリカのビジネススクールに応募するために必要だったので、1年ほど受験対策をしました。読解力、文法、作文、批判的思考能力を測るための試験ですが、アメリカの大学院でも受験しない限り知る機会がない、マニアックな試験です。超高地トレーニングを行っている感覚でしたが、試験対策を通じて、読解力、ライティング、批判的思考能力をかなり鍛えることが出来たと思います。

5.アメリカ大学院留学期間中

TOEFLで113点を取得し、大学の面接も切り抜けたのに、クラスでは英語が一番ヘタクソでした。それもブッチギリで。まるで猿と人間くらいの違い。私の学校では、留学生だけど2重国籍で半分アメリカ人です、みたいな人だらけ。中国人留学生も、殆どが小さいころにアメリカに移住してきた人か、学部時代を欧米、シンガポール、香港で過ごした人ばかり。その他は、殆どがインターナショナルスクール出身。シンガポール、インド、スリランカ、香港からの学生は、幼少時代から母国語のように英語を操っているので、語学面でのハンデはありません。日本生まれ日本育ちの私には非常に厳しい環境でした。

こういう環境でお尻に火がついたこともあり、実用的な英語力の向上を念頭に置いて相当努力し、英語力は飛躍的に向上しました。2年間の在学期間中、遊ぶ時間はほぼゼロで、学校と寮の往復の繰り返し。学校の授業、予習・復習、レポート課題以外に、米国証券アナリストの受験対策や、米国での就職活動の対策に一日8時間程度費やしました。恐らく、一日18時間近くこれらの活動に費やしていたと思います。ご飯を食べに行く時間や、髪の毛を切りに行く時間も惜しんでやっていました。1年間美容院に行かなかったら、気持ちの悪いただのロン毛野郎になっていました(笑)

リーディングやライティングの能力は、大量に出される学校の課題を通じて、リスニングの能力は、授業やネイティブとの交流を通じて向上しました。

スピーキングの能力が向上したのは、間違いなくアメリカでの就職活動に備えたおかげです。日本でまともな教育を受けていなかった・勉強してきていなかった私がアメリカで内定を勝ち取るには、普通の面接対策を超えた、もうイッちゃったレベルまで対策する必要がありました。どんなに風邪をひいていようが、緊張していようが、睡眠不足でいようが、面接が始まったら、スラスラ言葉が自然に出てくる、大先輩の言葉をお借りすれば、100回戦って100回勝てるようになるまで訓練するイメージです。

就職面接では、せいぜい数十個の想定される会話しか有り得ないため、質問は想定可能。コンテンツそのものを自然に、柔軟に喋る練習を、各質問につき数百回行いました。暗記した文章を棒読みするのではありません。自然に内容が口から出てくるように、 ぶち抜けたレベルまで練習します。留学期間中、毎日欠かさずやっていたので、スピーキング能力の向上に役立ちました。

6.アメリカ現地就職~現在

MBA・ビジネススクールを卒業した後は、アメリカの投資ファンドにアナリストとして就職しました。アメリカ人上司・同僚とのコミュニケーション、海外企業の経営陣との会議、議事録作成、海外企業の決算書・年次報告書・アナリストレポートの読み込み、投資分析レポートの作成等、全て英語で行っています。

日常生活で困ることはありませんが、読解スピードは高等教育を受けたネイティブの半分程度、リスニングも不正確です。ニュースやドキュメンタリーなら大抵の場合問題なく理解できますが、北米以外のアクセントは聞き取りづらく、早口なネイティブが言っていることがわからないこともあります。映画は字幕なしで完ぺきに理解できているかと言われると、答えはNO。スピーキングも、自分の得意分野でないトピックについては、上手く言葉が出てきません。

アルファベットしか読めなかった自分にしては上達したなあと思っていますが、まだまだネイティブのレベルに遠く及ばないというところです。グローバル企業の米国本社で生き残っていくには、英語力が全く足りませんので、私は英語力のみならず専門性が問われる分野に注力せざるを得ないというのが現実です。

現在、アメリカには、アジア系のネイティブスピーカーも多く、完璧に近い英語を話せないアジア人に対し、寛大ではなくなってきているところもあります。言語に依存するビジネスの世界では、組織の中枢レベルに上がるほど、文化的な理解・語学力が重要になりますので、アメリカ社会で這い上がろうと思えば、相当な覚悟を持って英語力を磨き、アメリカ人と渡り合い、引っ張っていけるだけリーダーシップが必要だと思います。私は、このレベルからは程遠いところにいます。

次回以降、私が具体的にどのように英語を学習してきたかについて、記事にしていきたいと思います。

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