英語学習のメソッドについては、Atsueigoさんの記事のように良質なものがたくさんありますので、そちらを参考にしていただければと思います。私の記事では、目標の置き方、レベル感に焦点を当て、そしてそこに到達するために私がどのように学習したのか、皆さんに共有したいと思います。
【目次】
1.単語帳、文法帳、演習問題、模擬試験をやり込む
a) 英単語暗記のレベル感
見た瞬間、聞いた瞬間に、単語の概念が頭に浮かぶレベルまでやり込みます。単語を見聞きして、意味を思い出すのに0.5秒もかかっていたらNG。私たちが、日本語で会話するときに、「車」という単語を見て、概念を思い出すのに0.5秒もかからないと思います。単語を思い出すのに「あれ、なんだっけ?」とか、「あー、あー、」とか言って無駄な時間を使っていると、まともに会話が成立せず、自分自身のみならず、相手にもストレスをかけてしまいます。日本語に訳している時間はありません。
「車」も「Car」も同じ概念です。「Car」と聞いた瞬間に、日本語に訳す間もなく、車の概念が瞬時に頭に浮かぶレベル感で単語帳をやりこみます。掛け算の九九で、何も考えずに「2×2」の答え「4」が出てくる、あの感覚に近いかもしれません。
各種リサーチによれば、頻出単語2000語で基礎はカバーできるといわれています。スピーキングやライティングにおいては、9割程度カバーできるそうですので、まずは2000語程度を目指すと良いでしょう。単語帳は、例文付きで発音が確認できるものがおすすめです。
b) じゃあ、どうやって暗記したの?
1語1語に時間をかけて完ぺきに覚えるよりも、スピード感をもって広く浅く記憶し、英単語帳をグルグル何周も復習する方が効率的です。人間の脳ミソは、忘れるように設計されていますが、何度も繰り返された情報は、一時記憶から長期記憶に変換されます。1語1語じっくり時間をかけて覚えても、脳みその設計のせいでどうせ忘れてしまいますが、忘れた頃に復習することで、浅い記憶を長期記憶に変換することが出来ます。
私は英単語を一日100~200語ざっくり覚えると決めて、一単語あたり数秒から数十秒しか使わず、一気にやりました。具体的には、
- 英単語を見て瞬時に概念が理解できる
- 日本語を見て瞬時に英単語に変換できる
- 自分で発音できるようにする(リスニングとスピーキングに関係)
- 単語を使って一文作る(記憶の定着+スピーキングとライティングに関係)
これだけです。100語覚えるのに、1単語30秒使えば、1時間以内に一周できます。2周したければ、1時間半~2時間かかります。翌日は、次の100語をやります。
大事なのは、この後です。2日もすれば殆ど忘れますが、忘れたタイミングで復習します。単語帳を何章かに区切って、例えば、「一日目は1章、2日目は2章、3日目は1章、4日目は2章、5日目は3章、6日目は4章、7日目は1章、8日目は2章、9日目は3章、10日目は4章」、など自分の記憶のレベルに合わせて、暗記のサイクルを工夫してみます。どうしても覚えられない単語は、それだけ抜き出して覚えていきました。
私は、単語を暗記する際の、暗記のレベル感をすごく意識していました。目標は、見聞きした瞬間に単語の概念が瞬時に理解できるレベルです。思い出すのに、「えーっと」とか、「あー」とか無駄な時間が一切ない、最終的には0.1秒もかからず、概念が頭に浮かぶ、そんなイメージです。
c) 文法帳学習のレベル感
頭を殆ど使っていない状態でも、反射的になるべく正しい文法を使って、文章をアウトプット出来るレベルを目指します。スピーキングやライティングにおいて、自分の意思を正確に相手に伝えるためには、文法を瞬時に操れるスキルが欠かせません。特に、スピーキングにおいては、文章を組み立てるのに、何十秒もかかっていては、英会話が成立しませんので、私は「体で覚える感覚」、「脳みそを殆ど使ってないのに、自然に文章がアウトプットできるレベル」を目指しました。
文法は、単語を配置する上でのルールですが、理解できないと文章が理解できず、文章の組み立てもできないため、他人とコミュニケーションをスムーズに取ることが出来ません。つまり、4技能(リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング)全てに大きく関わってきます。従い、文法は英語学習を行う上で大変重要です。
d) じゃあ、どのように文法帳を活用したの?
私は、記憶の定着を助けてくれることから、設問付きで解説の充実した文法帳が好みです。テキストは何でもいいですが、網羅的なものを一冊決めたら、それだけ徹底的にやり込みます。
まずは、解説を細部まで読んで理解し、続いて設問を解きます。設問の答え合わせで、自分の回答がなぜ正解だったのか、間違いだったのかを、完璧に説明できるようにします。設問の選択肢全てにおいて、なぜ正解だったか、間違いだったかを説明できなければいけません。こうすることで、文法に対する理解度がまるで違ってきます。
また、習った文法を使って、簡単な英文を作ります。この段階では、英文が正しいかどうかよりも、まず習った文法を利用して、とにかくアウトプットしまくることが大事です。ゴールは、テキストをやり込む中で、「頭を使わなくでも自然に文法を操れる境地」にまで達することです。反射的にアウトプットする能力は、ライティングと、特にスピーキングで欠かせませんので、私は体に叩き込む感覚を重視してやっていました。
この要領で、1回目はじっくりと理解することに時間をかけ、2回目以降は少しづつスピードアップさせ、テキストを5周ほどループしました。
単語・文法学習には数か月ほどガッツリ時間を割き、密度の濃い学習を行うことで、なるべく早くリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの学習に移行することを目標にしていました。
e) 演習問題・模擬試験をやり込む際のレベル感
前回述べた要領で、英単語や文法の基礎を数か月で一気に固めた状態で、リーディング、リスニングの学習を行うことをお勧めします。でないと、いくら時間をかけても文章が理解できません。
演習問題、模擬試験をやり込む際は、以下のレベル感を目指しました。
- 全ての本文を読んだり、聞いた瞬間に理解できる
- 全ての設問の選択肢について、なぜ間違いなのか、正解なのかを他人に明確に説明できる
ここで言う「本文を理解できる」の意味は、いちいち日本語に訳すまでもなく、概念として瞬時に理解できるということです。つまり、単語の暗記と文法の習得と同じレベル感でやり込みます。一文読んだあと、理解するのに数秒かかっていてはダメです。文字通り、英文を読んだ瞬間に概念を理解しなければいけません。日本語には訳すのではなく、概念で理解しますが、この境地に達するためには、後述の通り、それなりのコミットメントが必要です。
f) なぜ、演習問題・模擬試験を利用するの?
設問を解いていくプロセスは、非常に効率の良い学習法だからです。設問を時間内に解かなければいけない、文章を正確に読み取ったり聞き取ったりしなければならない、というプレッシャーが、集中力・学習効果を高めてくれます。
漫然とした動画の視聴・音源の聞き流しは、集中力・学習効果の観点から非効率なため、私はお勧めしません。学習分野も隔たりがちです。一方で、TOEICやTOEFLなどの試験は、幅広いトピックを学習できて効率的だと思います。
g) じゃあ、どのように演習問題・模擬試験を活用したの?
私は、以下のプロセスを愚直に繰り返しました。基本的に、リーディングもリスニングもやることは同じで、①~⑥までのプロセスを愚直に繰り返します。最初は設問の2割か、3割くらいしか解けずに絶望したこと数知れずですが、以下のレベル感で学習を継続できれば絶対に英語力は上がります。私自身、英語が死ぬほど苦手でしたが、後述のスピーキングやライティングのトレーニングも並行して行うことで、リーディングやリスニングの底力も上がっていきました。
- 最初は、必ず制限時間を守って解きます。点数は、英語力×試験形式への慣れで決まります。
- 次に、制限時間無視して、自力で全ての問題を解きます。こちらは、純粋な英語力を測るものです。時間制限がなければ、自力でどれだけ解けるのかを把握します。
- 各設問の全ての選択肢につき、なぜ正解だったのか、なぜ間違ってしまったのか、なぜ選ぶべきでなかったのかを、完璧に理解します。他人に明確に説明できるレベルまで突き詰めます。2割くらいしか解けなくても絶望する必要ありません。学習を継続すれば改善します。
- 本文、例文も完璧に理解します。わからなかった単語は全て覚えます。ここで言う「本文を理解できる」の意味は、いちいち日本語に訳すまでもなく、概念として瞬時に理解できるということです。つまり、単語の暗記と文法の習得と同じレベル感です。一文読んだあと、理解するのに数秒かかっていてはダメです。文字通り、読んだ瞬間に概念を理解できなければいけません。
- ①~④まで終えたら、①に戻り、もう一回問題を解き、答え合わせ、復習を行います。そして、次の演習問題・模擬試験に移ります。
演習問題集・模擬試験を一冊終えたら、もう一度、テキストの最初からやり直します。同じ問題集を何周か行った後に、新たな問題集に移ります。これをひたすら繰り返します。
私が初めてTOEICやTOEFLの問題集を買ったときは、設問の3割も解けませんでしたが、学習を継続することで、TOEFLのリーディングセクションで満点、リスニングセクションで29/30点取るまでに成長しました。落ちこぼれの私でも出来たので、どのレベル感までやり込めば良いか理解し、正しい方法を継続することで、英語力は着実に向上すると思います。
次回は、以下2店に焦点を当てていきたいと思います。