投資の大敵「Loss Aversion(損失回避の行動)」~サルの時代から人間に染みついている説

前回レビューした本の中で、3500万年程前に、進化の過程で人間と別れたオマキザルの実験がありました。このサルは、6百万年程前に枝分かれしたチンパンジーよりも人間から遠い親戚にあたります。実験では2種類のゲームを行います。

  1. オマキザルに一つぶどうを与えます。そして、コイントスの結果によって、追加でボーナスのぶどうを一つ与えます。
  2. オマキサルに二つのぶどうを与えます。そして、コイントスの結果で、1つぶどうを没収します。

どちらの実験でも、賭けの期待値は同じ。つまり、合理的に損得勘定だけを考慮すれば、全く同じものです。しかしながら、1回目の実験では、潜在的な利益が強調されている一方で、2回目の実験では潜在的な損失が強調されているという違いがあります。つまり、ゲームの見せ方だけが違うだけということになります。

実験の結果、オマキザルは圧倒的に潜在的な利益が強調されたゲーム1の方を好むということがわかりました。

伝統的な経済学では、これらの実験は同じものとみなされますが、実験の結果、オマキザルは人間と同じような「Loss Aversion(損失回避の行動)」を取ることがわかりました。人間の「Loss Aversion(損失回避の行動)」の典型例として、投資有価証券の塩漬け(損切り出来ず含み損を抱えたポジションを持ち続ける)などがあげられますが、これは動物の本能に刻み込まれたもので、中々克服が難しいものなのかもしれません。

また、本にはこの実験におけるフレーミング効果「Framing」の可能性について触れられていませんでしたが、2つのゲームは見せ方だけが違うだけという点で、フレーミング効果も見て取れます。つまり、本質的には同じ選択肢であっても、その表現方法などが異なるだけで全く逆の選択をしてしまう現象です。我々と実際に関わりのある日常生活との関連で説明すると、保険の購入の際に、年間の支払い金額でなく、月間の支払い金額が強調されていた方が、安く見えてついつい契約してしまう、といった類のものです。

個人的にバイアスの話に興味があるので、今度このトピックに関する記事を纏めてみたいと思います。

スポンサーリンク
広告




広告




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
広告