自分がロジカルな人間か、直観に頼る人間かを判断する簡単な方法

前回ご紹介した本の内容です。イェール大学のシェーン・フレデリック教授(元MIT助教授)によれば、CRT(Cognitive Reflection Test)と呼ばれるたった3つの質問で、IQテストやSATよりも効果的に、私達のロジカルな判断力を測ることが出来ます。具体的な質問は以下の通り。

  1. バットとボールの価格は合計1.1ドルで、バットがボールよりも1ドル高い時、ボールの値段はいくら?
  2. 機械5台で部品5個生産するのに5分要するとき、機械100台で部品100個生産するのに何分必要?
  3. 湖にユリが浮いていて、毎日ユリの面積が倍になるとき、もしユリが湖全体を覆うのに48日かかるのであれば、湖の半分を覆うのに何日かかる?

フレデリック教授が3500人に調査を行ったところ、全問正解した参加者はたったの17%で、全問不正解の参加者は全体の30%となりました。全問正解者の割合が最も高かったグループはMITの学生で、このグループでは48%が全問正解でした。本書の著者が、プロのファンドマネジャー600人にテストをしたところ、全問正解した参加者の割合は40%で、10%は全問不正解でした。

テストの結果が示唆するものは、正答を得られなかった人、特に全問不正解の方は、意思決定をする際にロジックではなく直観に頼る傾向にあり、投資を行う際に様々なバイアスに囚われてしまう可能性があります。また、全問正解したからと言って、人間の陥りやすいバイアス、例えば、損失回避、過剰な楽観主義、自信過剰、確証バイアスなどから逃れられるわけではありません。

尚、正答は以下の通りです。

1問目

  • バット1本+ボール1個=1.1ドル
  • バット1本ーボール1個=1ドル
  • バット2本=2.1ドル
  • バット1本=1.05ドル、ボール一個=0.05ドル

2問目

  • 5分

よくある間違いは、100分という回答らしいですが、正答は5分。機械1台で部品1個生産するのに5分かかります。従い、5台で5個生産する場合でも、100台で100個生産する場合でも同じ5分かかります。200台でも1000台でも5分です。

3問目

  • 47日

最もよくある間違いは、48日を半分にして24日というものですが、正答は47日。1日でユリの面積が倍になるので、湖全体が覆われる前日には、半分が覆われていることになります。

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