銘柄選択に関して、プロの助言は間違っている?

少し古いですが、前回ご紹介した本の中に、プロの銘柄選択に関して言及した部分がありましたのでご紹介します。筆者は、1929年から1980年まで51年間、玄人お気に入りの銘柄の株価が、インデックスに対してその後(できれば12カ月間)どうなったか調査しました。 対象は52件の調査で、プロの投資家のサンプル数は中間値で100強( 25から数千件)でした。

検証の結果、18件の調査では、プロが選んだ9割の銘柄がインデックスに負けていることが分かりました。残り34件の調査ではもう少しマシな結果が出ましたが、それでも77%は負けでした。また、ウォールストリートジャーナルの1986年から1993年までの調査では、五分五分という結果が出ました(※毎年4人のプロに5銘柄選んでもらい、成績が悪かった2人は別の人と入れ替えするというもの)。

以上の調査結果を纏めると、1929年から1993年までの60の調査のうち、75%の調査でプロ集団はインデックスをアンダーパフォームしていました。また、本書では、プロ集団はピークで人気銘柄を保有し、不人気で割安な銘柄を避けるという明確な傾向が明らかにされています。プロの投資家が予測可能な程システマチックに間違いを犯しているという、効率的市場仮説予測との矛盾点が指摘されています。

別の記事でもご紹介した通り、SEC(米国証券取引委員会)の調査では、 投資家の中でも特に機関投資家には、イベントに過剰反応、つまり人気銘柄に群がり、不人気な銘柄を売り込む傾向があったことが明らかになっています。60年代〜80年代後半に天井で購入し、底で売っていたのは機関投資家だったというものです。自称プロと呼ばれるファンド・マネジャーは、極めて感情的な売買をしており、パフォーマンスも最悪であったことが明らかになっています。

現在もアクティブマネジャーの殆どがインデックス対比アンダーパフォームしています。天井で割高銘柄を掴んで、大底で割安銘柄を売っているのは機関投資家なのかもしれません。

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