錯誤相関。信じたいもの、存在しないパターンを認識するトレーダー。本当に持続可能な、儲けられる手法は?

Why Micro Futures Are A Game Changer for Retail Traders ...

私はチャートのパターン認識を用いたトレーディングの有効性やデイトレーディングの再現性に懐疑的です。1~3年くらいだったら運で儲かる人はいます。極稀に、15年~20年も儲かっている人に出会うことがあります。ただ、彼らの売買手法は、99%の人にとって再現性のないものです。

私は、投資の世界に入る前は、商社で自己勘定のトレーダーを9年間やっていました。駆け出しの頃は、カリスマトレーダーに憧れて、デイトレーディングの訓練に日々邁進していました。会社の業務でトレーディングを行った後も、アメリカの株式市場NASDAQで日計りの取引をやったものです。もう10年以上前の話ですが、会社から帰宅した後は、当時某ブローカーが主催していた、トレーダー育成プログラムに参加しており、少額のリアルなマネーでデイトレをやっていた時期もあります。

トレーディングに関する本も100冊以上読み込み、一日中、トレーディングを実践するということを何年間もやりました。24時間トレーディングのことだけを考え、 仕事でもプライベートでもほぼ全ての時間をトレーディングに費やしており、物理的な限界に挑戦していました。 恐らく、当時自分よりトレーディングにのめり込んでいた人間は地球上に存在しなかったと断言していいくらいです。しかしながら、チャートパターン認識を用いたトレーディングのスキルは全く上達しませんでした。人生でここまで努力して全く結果が出なかったのは、初めてのことでした。上手くいっていると錯覚する時期はありましたが長続きはせず、結局どこかで損してしまい、損益は上手くいって±ゼロ。時間と労力ばかりかかってマイナスでしかありませんでした。

株式市場は不確実性に支配されており、無数の情報が溢れています。このような状況下では、人間は錯誤相関と言って、自分の見たいもの、実際には存在しないパターンを認識するようになります。 専門家ですら、容易にこういった錯覚に陥ります。例えば、訓練を受けた心理学者に、精神病患者についての事前情報を与えます。実験の主催者側が用意した絵も同時に与えます。そうすると、心理学者は絵から存在しないパターンを見出します。例えば、自分の男らしさについて心配している患者の絵には、男性的な特徴である筋肉のようなものを見いだします。実際は、絵は患者が描いたものではなく、筋肉も全く強調されていないにもかかわらずです。この傾向は、他の被験者の調査でも一貫して見られるものでした。心理学者は、無意識に精神病患者から予想される行動に意識を集中させてしまった結果、物事の因果関係を適切に見る事ができなかったのです。

投資におけるチャート分析も似たようなものです。使い手の解釈次第で、ヘッドアンドショルダーなど、存在しないところにパターンを認識することが可能です。星占いによるトレーディングも同様です。私は、長期にわたって継続的にデイトレードで儲けている人が存在する事実を否定しません。会社でも、一人だけ長期的に儲けているカリスマトレーダーがいましたが、これはプロの世界でもほんの一握りでしかありません。人間の傾向として、自分は他人よりも出来ると思い込んでしまうため(自己評価が高い)、自分だったらデイトレで儲かると思いがちなのですが、殆どの人にとって時間の無駄となることでしょう。

私は、チャート分析などのテクニカル分析がオカルトだということと、自分の無力さに気づくのに数年も費やしてしまいました。ただ、収穫もありました。ファンダメンタルズ分析に基づいたアービトラージのみが、コモディティ市場のトレーディングで継続的に収益を上げ続けられる手法だと確信することとなりました。コモディティ価格の上げ下げの予想は不可能ですので、アウトライトのポジションは殆どニュートラルにし、非効率な市場で、単純に誰よりも先に情報を取りに行き、価格の歪みを見つけて売買をする、これをひたすら繰り返すというものです。これは、先物やオプション取引だけしかできない個人トレーダーには不可能な手法です。現物を売買するだけのインフラが必要なので。ただ、商社の自己勘定のトレーダーはこの点を利用して、儲けることが出来ます。今後、時間があったら、商社など現物を扱っている会社がなぜ有利なのかを、具体的に解説したいと思います。

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